鎌使いの文章倉庫

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□ 小説本編その11【再会】 □

俺は世界を……【再会・その19】

「ガレット、デカくなくていい、盾一個作ってくれ」
「え?は、はいっ!!」
俺の意図がわからないのか、少し戸惑いながらもガレットは再び腰を低く落とした。
 スゥと息を吸う音が聞こえ、ガレットは静かに、そして鋭く拳を前に突き出した。
 いつみても綺麗な構えだ。
 ガレットの性格がこれだけで見て取れるようだった。
「絆の鉄壁!!」
ガレットがそう叫ぶと、武器から眩い光が溢れ、その光は一転に集まり、光り輝く盾へと姿を変えた。
 ガーダーと呼ばれる部類の簡単に持ち運べる小型の盾だった。
 今からやろうとしている事に使うにはちょうどいい大きさだった。
「レツさん、言われたとおり盾を作りましたけど……」
「上出来だ。いいか、盾にはこういう使い方もあるんだぜ!!」
おれはそう言うと、ガレットが作り出した盾をボールの要領で思いっきり蹴飛ばした!!
 目標はもちろんゴウタ。
 こう見えても球蹴りは得意なんだよな。狙った場所に打ち込めるくらいには。
「これが、絆の蹴撃だ!!」
「うわぁ、すごいですっ!!」
俺の叫びとガレットの歓声の中、蹴り出されたガレットの盾はゴウタの腹にクリーンヒットした。
 盾はぶつかった衝撃で砕け、激しい光と衝撃となってゴウタの身体をよろめかせた。
 やり方は少々荒っぽかったが、ともかくゴウタの動きが止まった今ならタイガも離れられる筈だ。
「タイガ、跳べ!!」
俺の声に無条件に反応して、ゴウタの腕の動きを利用してタイガが宙に飛び上がる。
 そのまま見事な身のこなしで空中で体勢を立て直すと、ご丁寧に空中で3回転捻りまで披露した後にイスケの近くに着地した。
「ただいまっ!!」
曲芸師張りな着地をして見せたタイガがけろっとした表情で手を上げる。
 少し息は上がっているが、軽い運動をして帰ってきたかのような様子だ。
「よくがんばったな」
俺がそう言って頭を撫ぜてやると、タイガはニシシといつもの笑顔を見せた。
「イスケ、もういいぞ!!」
「あいよ」
イスケがそういうと、まるで意志があるかのように黒い鎖はゴウタの身体からスルスルと離れていく。
 黒い鎖は地面を這うように縮み、金属部分の分銅を引きずりながらイスケの足元のあたりにまで縮んでいた。
 タイガもゴウタの腕から逃れるタイミングを見計らっていたようだが、
 だが、その笑顔は一瞬にしてかき消される事となった。
「オルゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
二人の拘束から離れたゴウタはその喜びを空気を震わせるような咆哮で表していた。
 空気の震えがビリビリと俺の肌を突き刺す。
 このプレッシャー……ガオウと比べても遜色ないくらいに強烈だ。
 全身の毛穴という毛穴に細い針を差し込まれているような……そんなピリピリした痛みが全身に走るのがわかる。
「レツにーちゃん、どーするの?」
「俺とガレットで奴の動きを止める」
「え!?」
タイガが少し驚いた表情でガレットの顔を見つめる。
 そんなのできっこないというタイガの声なき声を察したのか、ガレットは少しムッとした表情でタイガを睨み返す。
 頼むからこんな状況で仲間割れは勘弁してくれ。
「でも……」
「ガレットと一緒に戦ったことが無いから不安なのはわかるが、とりあえずここは俺を信じてくれな?」
そう言って屈んでタイガの目線に目の高さをあわせ、肩に手を置くと、タイガは一瞬何かをいいたげな表情を見せたが、何かをかみ殺した様子で俯くとコクリと一回頷いた。
 確かに同じ勇者とはいえ、会って間もない奴を完全に信じろってのは難しい話だからな。
 仕方ないっちゃ仕方ない。
 けど今はそんな事を言っていられる場合じゃないんだ。
「……肝心なところはニブいんだな、アンタ」
「え?」
「タイガの事だよ」
「ガレットの実力を測りかねてるんだろ、しかたねぇよ」
「そこがニブいつってんだよ。ま、とにかく期待してるぜ」
イスケは軽いため息をつきながら、俺とガレットの横についた。
 タイガも少し不服そうな表情をしながらもイスケを守るように前に出る。
 イスケの奴……一体何が言いてぇんだよ。思わせぶりな事いわねぇでハッキリと言えばいいのにさ。
 ほんとはしっかりと問い詰めてやりたかったところだが、そうも行かなくなっていた。
 ゴウタにかました目潰しに効果が消え、薄っすらと目を開けながらこっちを睨みつけてきた。

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