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鎌使いの文章倉庫

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□ 小説本編その7【カイルと三つ子の勇者】 □

俺は世界を……【カイルと三つ子の勇者・その20】

考える訓練を一しきりこなした後は、最初の訓練を基にして実戦形式の模擬訓練を行った。
 リク達は三人一組で武器の使用も可能、対するカッツにはガードに使用する時以外は武器は使わず、体術による攻撃も極力行わないように伝えてある。
 訓練の目標はカッツに武器を使ってガードさせること。
 これは考える訓練で得た状況判断能力を実戦でも使えるように定着させるための訓練だった。
「たあああ!!」
「リクにーちゃん、下がって!!」
「後はおれが!!」
双剣で切りかかったリクが後ろに下がる。
 その鼻先をカッツの爪先が掠める。チリッという靴と鼻が擦れる音がこちらにも聞こえてくる。
 離れたリクを追い詰めようとするカッツだが、すぐさまに弟二人の弓の牽制射撃がそれを妨げる。
 その間にリクは弟達の元まで後退していた。
「カイ!!クウ!!弓で牽制して距離を取るぞ!!」
「うん!!」
「おう!!」
リクは弟にそう告げると、自身も双剣を連結して弓へと変えた。
 三人の武器には、弓に可変して光の矢を飛ばすという特性があった。
 その能力自体は悪くないのだが、問題はその威力だった。威力的には通常の弓より少し強い程度だったのだ。
 矢の残量を気にせず撃てるのは大きいが、その決定力の無さは主力武器として扱うには致命的だった。
 ましてやユダ相手では豆鉄砲を撃っているに過ぎないのだ。
 そのため、リク達には弓での攻撃はあくまでも距離を取るさいの牽制攻撃にのみ使うように指導していた。
 リク達もその教えを守って、弓での攻撃は極力使わないようになっていた。
「チィ!!」
カッツが三人を中心に円を描くように走り出す。
 こうすれば常に相手に対して直角に動け、相手は中々狙いを定める事ができないのだ。
 そのまま距離を詰めるつもりなのだろう。
「慌てたら師匠の思うつぼだぞ!!」
「慌てたら!!」
「思うつぼ!!」
三人は慌てることなく、カッツが接近するまで弦を引いたまま様子を伺う。
 三人の弓は弦の張力で放つものではなかったので、こういうときには腕の負担が少なく、焦ることなく相手の動きが伺えるのが利点だった。
 カッツが地面を蹴って、方向をリク達のほうに向ける。一気に距離を詰める魂胆だ。
 だがリク達も一瞬だけ反応が遅れはしたものの、十分フォローできるタイミングでカッツを捕らえた。
「よし、今だ撃て!!」
しまった、思わず声に出してしまった。
 俺の声のタイミングで三人が一斉に引き絞っていた弦を放す。
 カッツが弓を避けようと身を屈める。
 だが、次の瞬間……三人の弓から今まで見たことの無い光の柱が放たれた。
 光の柱は一直線にカッツに向かう。光の大きさからして屈んでいても避けられる太さじゃない!!
「カッツ!!」
「ッ!!」
カッツが反射的に飛びのき、光の柱から逃れる。
 カッツのパーカーの裾が光に触れて、灰となって消える。
 そのままカッツは尻餅をつくような形で、背中から地面に突っ込んだ。
 光の矢は洞窟の壁面に突き刺さり、とてつもない爆音と光で鍾乳洞の中を埋め尽くした。
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